2024.01.23
リラックスして歯科治療を受けていただくために
不安や緊張感の少ない歯科治療をご提供します
歯科治療に対して極度の緊張感や恐怖心、不安な気持ちをお持ちの方は少なくありません。幼少時の歯科治療で痛い思いをした方や治療してもなかなか治らないなど、様々な状況が記憶され不安や恐怖心の元となっています。ある報告では、こうした「歯科恐怖症」の方は全国で500万人以上も存在すると言われています。
当院にお越しになる患者さまの中には、「治療が怖くてなかなか通うことができなかった」「どうしても歯科特有の医療機器の音が苦手」とお話される方もいらっしゃいます。東京国際クリニック/歯科では、このように歯科恐怖症の方にも安心して歯科治療をお受けいただくために「静脈内鎮静法」と呼ばれる点滴を用いた無痛歯科治療を行っています。
静脈内鎮静法とは
静脈内鎮静法とは点滴による麻酔法の一種で、患者さまは眠っているようなリラックスした状態になります。静脈内鎮静法のメリットは、痛みや歯科治療による恐怖心、治療中の医療機器の音などを気にすることなく、肉体的・精神的にも少ない負担で治療を受けられることです。
また、リラックスすることで血圧や脈拍なども安定するため、心臓病などの全身的な病気のある患者様の歯科治療にも適しています。なお、全身麻酔とは違い、完全に意識がなくなるわけではなく、高い安全性が認められています。
静脈内鎮静法は、以下のような方に お勧めです
- 歯科治療が苦手な方、歯科治療中に 気分の悪くなる方(歯科恐怖症の方など)
- 嘔吐反射が強い方
- 歯科特有の医療機器の音や振動など を気にせず、快適に治療を受けたい方
- 全身的な病気をお持ちの方
など
全身疾患をお持ちの方にも安全・快適な治療を
高齢化の進行とともに、全身疾患をお持ちの方も増えています。全身疾患があるために、一般の歯科医院で治療を断られてしまった方もいらっしゃると思います。例えば、歯周病やむし歯で歯を失ってしまった場合、その失った歯を補う治療としてインプラント治療がありますが、糖尿病を患っている方は全身の免役機能が衰えているため、術後の感染のリスクが高くなります。また、再生機能が低下しているためインプラント治療を受けても術後の治りが悪く、せっかく埋入したインプラントが失敗に終わるリスクが高くなります。このような理由から、重度の糖尿病の方はインプラント治療を控えたほうが良いと言えますが、きちんと血糖値をコントロールできればインプラント治療を受けることができます。
全身疾患のある方に歯科治療をおこなう場合は、正しい知識に加え、東京国際クリニックの「医科」と連携した管理が必要になります。
口腔外科や麻酔科で学んだ全身疾患・有病者治療の知識を生かし、ご高齢の患者さまや全身疾患をお持ちの患者さまの不安をできる限り取り除き、安全で快適な歯科治療をご提供できるよう歯科麻酔科医として最善を尽くしたいと思います。
歯科で行う血液検査とは
当クリニックでは抜歯をはじめ、歯周外科手術やインプラント治療などの外科処置を伴うことが想定される場合には、事前に血液検査をさせていただいております。一般的に血液検査までおこなう歯科医院は少ないため「なぜ歯科医院で血液検査をするのか?」と疑問に思われるかもしれませんが、歯科で外科処置をともなう以上、患者さまのお身体の状態を把握することで万全の体制で手術に臨むことを目的としています。
歯周病と全身疾患は密接に関係しています
歯周病が進行すると、血液を介して歯周病菌が各臓器に運ばれ、全身疾患に悪影響を及ぼすことが明らかになっています。近年の研究では歯周病と糖尿病が双方に悪影響を及ぼすことや歯周病が日本人の死因の第3位に挙げられる肺炎や感染性心内膜炎などの心疾患に深く関わっていることがわかっています。
また、歯周病にかかっている妊婦さんは、そうでない方に比べて早産や低出生体重児のリスクが高まることも分かっています。逆に、全身疾患によって歯周病が悪化するケースも報告されています。
お口の中だけではなく、全身の健康まで見据えた歯科治療を
当クリニックでは、併設する医科と歯科の連携を日頃から密接に行っております。治療前には血圧、脈なども測定させていただき、問診票に「なし」の記載があった場合にも、ゆっくりとお話を伺うと、実は以前に大きな病気をかかえていたり、高血圧が判明することもあります。そこで、かかりつけ医をお持ちでない方には当クリニックの医科をご紹介させていただき、安心・安全な治療をご提供できるよう連携を図っています(かかりつけ医をお持ちの方には検査結果などをご照介させていただきます)。
こうした密接な医科と歯科の連携を実現することで、お口の中だけでなく全身の健康状態まで見据えた歯科治療をご提供しています。
歯科麻酔の専門医による万全のサポートで
歯科における静脈内鎮静法が、治療中の患者さまの不安感や緊張感を和らげることに有用ではあるのですが、歯科
医院で麻酔科医が常駐しているクリニックは珍しいと思います。歯科治療を受けたいけど全身疾患に不安をお持ちの方や歯科治療に対して恐怖心や不安感をお持ちの方も、是非一度当クリニックにご相談いただければと思います。
血液検査での主なチェックポイント
- 栄養状態
- 炎症反応の有無
- 感染症の有無
- 糖尿病の有無
- お薬の代謝、排泄に問題がないか
- 貧血の有無
- 手術に際して血が止まりにくくないか
- 手術後の治癒に問題となるようなリスクがないか
など
監修者情報
公開日:2020年2月18日
更新日:2024年1月23日
清水智幸(しみずともゆき)
東京国際クリニック/歯科 院長
歯学博士。日本歯科大学卒業後、近代歯周病学の生みの親であるスウェーデン王立イエテボリ大学ヤン・リンデ名誉教授と日本における歯周病学の第一人者 奥羽大歯学部歯周病科 岡本浩教授に師事し、ヨーロッパで確立された世界基準の歯周病治療の実践と予防歯科の普及に努める。歯周病治療・歯周外科の症例数は10,000症例以上。歯周病治療以外にも、インプラントに生じるトラブル(インプラント周囲炎治療)に取り組み、世界シェアNo.1のインプラントメーカー ストローマン社が開催するセミナーの講師を務めるなど、歯科医師の育成にも力を入れている。
・日本歯周病学会 認定医
・日本臨床歯周病学会 認定医
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