2022.02.22
マイクロスコープを使った精密な歯科治療をご存知ですか?
できるだけ患者さま自身の歯を残すために
東京国際クリニック/歯科では、従来より清水院長の行う歯周病治療を軸として、「できるだけ歯を残す治療」をご提供しています。私は2019年から、歯科用マイクロスコープを用いて主に歯内治療を担当しています。
歯内治療とは主に歯の内部、神経に関わる治療の総称です。深いむし歯のある歯の神経を可能な限り生きたまま残す治療やすでにむし歯がかなり深く、細菌が神経に入りこんで根の先が化膿してしまった歯を、抜かずに残すために行う治療です。
ビルで言うと基礎工事に当たる部分です。きれいな歯を入れても歯内治療がしっかりできていなければ、またやり直しをする事になります。
しかし、歯の神経はとても複雑な構造をしており、簡単な治療ではありません。歯内治療は、歯の根の構造を熟知し、さらに、科学的根拠に基づいて診査・診断し、治療に当たることが出来るかが非常に重要な事であると考えています。
マイクロスコープで「見える」歯内治療が可能
とても小さく、そして複雑な歯の根に入りこんだ細菌を除去する歯内療法は、従来、盲目的に行われる部分が多く、勘を頼りに行う治療になってしまうことも多くありました。しかし、1990年代から歯科用マイクロスコープ(歯科用実体顕微鏡)が導入され、劇的な進化を遂げました。マイクロスコープはもともと脳外科や眼科の精密な外科処置に使われており、術野を24倍程度まで拡大し、非常に明るい光源で照らして見ることができる機材です。暗く、細く、小さな歯の神経の治療に、マイクロスコープは非常に親和性がよく、今まで見えなかった隠れた細菌を見つけ出し、実際に「拡大して見ながら除去」することが可能になりました。このことにより、従来では抜歯が選択されるような非常にシビアな状況に陥った歯でも、残すことが出来るようになってきました。
我が国のマイクロスコープの普及率はまだまだ数%と言われていますが、歯内治療には絶対に欠かすことのできないツールであると考えています。
新たな感染を防ぐために
歯内治療においてもう一つ重要なことは「細菌の侵入を防ぐこと」です。すべての原因は細菌感染であるため、当院では治療中、歯の根の中に新たな細菌が入り込まないように口腔内と治療する歯をゴムのシートで隔離する「ラバーダム」を用いた治療を行っています。治療中に唾液が1滴でも入ると細菌感染が起こるため、徹底した滅菌環境下で行うことが非常に重要となります。
正しく治療を進めるために重要なこと
正しく治療を進めるには、正確な診査・診断が不可欠です。現在の症状だけでなく、レントゲン撮影をおこなうことで、歯の根や歯髄の状態から病気の有無など確認した上で、診断を進める必要があります。また、特に精密さを求められる根管治療には、長い時間がかかりがちです。だからこそ、根管治療の専門家としての腕の見せどころは、根管治療をいかに早く、いかに精密に進められるかにあると考えています。正確な診断のもとに、適切で迅速、かつ精密な根管治療を行い歯科治療のゴールへの道筋を作ることが、私の目指すべき治療方針だと考えています。
もし、他院で「この歯は神経を残せない」あるいは「抜歯するしかない」と言われた方もあきらめず、ご相談ください。
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監修者情報
公開日:2020年1月14日
更新日:2022年2月22日
清水智幸(しみずともゆき)
東京国際クリニック/歯科 院長
歯学博士。日本歯科大学卒業後、近代歯周病学の生みの親であるスウェーデン王立イエテボリ大学ヤン・リンデ名誉教授と日本における歯周病学の第一人者 奥羽大歯学部歯周病科 岡本浩教授に師事し、ヨーロッパで確立された世界基準の歯周病治療の実践と予防歯科の普及に努める。歯周病治療・歯周外科の症例数は10,000症例以上。歯周病治療以外にも、インプラントに生じるトラブル(インプラント周囲炎治療)に取り組み、世界シェアNo.1のインプラントメーカー ストローマン社が開催するセミナーの講師を務めるなど、歯科医師の育成にも力を入れている。
・日本歯周病学会 認定医
・日本臨床歯周病学会 認定医
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