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歯周病(歯槽膿漏)の原因は?

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近年、テレビ番組やCM、Webのニュースなどで「歯周病」というフレーズを見たり聞いたりする機会が増えてきたように思います。歯周病は歯茎に炎症を起こす病気で、以前は「歯槽膿漏」とも呼ばれていました。歯周病に対する正しい理解が進み、歯周病予防の重要性が広く認知されていくのは、とても良いことだと思います。

今回、東京国際クリニック/歯科では、「歯周病(歯槽膿漏)の原因はなんだと思いますか?」というテーマで30代から60代までの男女100人にアンケートを採ってみました。みなさんは、このアンケート結果を見てどう思われますか?

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【調査概要】
地域:全国/対象:30~60代の男女

アンケート結果の1位は「歯垢(歯磨き不足)」

  • 以前歯医者で歯磨きをしないとどうなるかという説明を受けた時に、そう習いました。(30代/女性/自営業)
  • きちんと磨かなくなると悪化するので、原因はやっぱりそれかな。(50代/男性/会社員)
  • 口の中のやけどが原因で歯磨きが不十分になり、その時に歯周病になった。(40代/女性/専業主婦)
  • 歯医者さんで指導されたから。毎日、歯磨きしていても自分ではとれない歯垢もあるので定期検診は欠かせないと思う。(40代/女性/会社員)
  • 食べカスなどが歯垢になって、それがたまって歯を溶かしていくからだと思います。(30代/男性/会社員)
  • 義父が歯槽膿漏で苦労しているが、先生の元で歯磨きを指導されてから大分改善されたようなので、やはり効果があるのだと思う。(40代/男性/会社員)

アンケートでは、7割以上の方が「歯垢(歯磨き不足)が原因」と考えていることが分かりました。歯周病は、歯垢(プラーク)の中に潜んでいる細菌が引き起こす病気です。歯垢の中には何億という数の細菌が潜んでいるので、歯垢が多ければ多いほど歯周病のリスクは高まると言えます。

「義父が歯槽膿漏で苦労しているが、先生の元で歯磨きを指導されてから大分改善されたようだ」といった回答もありましたが、歯科医院での歯磨き指導によって正しいブラッシングができるようになれば、歯周病(歯槽膿漏)は改善できます。歯周病治療の基本はプラークコントロールですので、ご自宅での歯磨きや歯科医院でのスケーリングなどにより、お口の中から歯垢をしっかり取り除きましょう。

歯周病を招かないためのポイントとは?

アンケートの2位には「感染」が選ばれ、続く3位には「食生活の乱れ」が選ばれるという結果になりました。

【感染】

  • 小さい頃、親がよく硬い食べ物を自分の歯で噛み砕いてから子供に与えていたので、それで感染したのだと思う。(40代/女性/専業主婦)
  • 歯周病に感染してしまうと(歯周病に)なってしまうと聞いたから。なので、子どもたちには自分の箸で食事を与えないようにしている。(30代/女性/専業主婦)

【食生活の乱れ】

  • いろいろな原因が考えられると思いますが、食生活が乱れて栄養が偏るのは原因の1つになるのではと思います。(40代/女性/パートアルバイト)
  • 歯磨きを毎日している家族や友人でも歯槽膿漏になっているので、歯磨き不足ではなく、食生活の乱れや栄養不足・偏りが原因だと思います。(40代/女性/専業主婦)

【遺伝】

  • 歯ぎしりや食いしばり、口呼吸なども原因としてあるが、遺伝という話も聞いたことがある(30代/女性/自営業)
  • 遺伝でしょうかね。ならない人はならないって聞いたので。(30代/男性/無職)

実は、「感染」も「食生活の乱れ」も「遺伝」も間接的ではありますが、すべて歯周病の原因と言えます。

感染について

歯周病菌は唾液を介して親から子供などに感染する可能性はありますが、咀嚼した食べ物をあげる、使ったスプーンやコップを使い回す、口にキスをする、などに気を付ければその可能性を減らすことができるでしょう。とはいえ感染を完璧に防ぐことは難しいですし、歯周病菌がお口に入ったから子供が歯周病になるのか――というとそういうわけでもありません(歯周病の原因はあくまでもプラークです)ので、過度に心配する必要はありません。

食生活の乱れについて

食生活が乱れると、口腔内環境が悪化して歯周病菌が活性化しやすくなります。また、栄養が偏って体調が崩れると、免疫力が低下して歯周病の発症・悪化リスクが高まります。歯周病と糖尿病は相関関係にあることが明らかになっていますが、悪玉菌を食べてくれる好中球(白血球の一種)の働きが低下してしまうことから、両方の悪化を招く「糖分の摂りすぎ」にも要注意です。

遺伝について

歯周病自体が遺伝するということはありませんが、歯周病になりやすい身体的特徴(唾液の質、免疫力、歯並びなど)は遺伝することが分かってきています。

歯周病治療の第一歩は、理解すること

ごく軽度のものから重度のものまで含めると、日本には約5,000万人の歯周病患者(および予備軍)がいると言われています。しかし、これだけ多くの方が無関係ではないとされているにもかかわらず、原因やメカニズムについて理解している方はごく一部です。まずは正しく理解すること。これが正しい歯周病治療の第一歩と言えるでしょう。

歯周病菌に感染しないことは大事ですが、歯周病になってしまったからといって諦める必要はありません。歯周病は治る病気であり、再発しないように予防できる病気だからです。歯医者さんを嫌いな方は多いと思いますが、悪い状態のまま放置するのが一番よくありません。歯周病の気になる症状がある方、歯周病の予防法についてくわしく知りたいという方は、お気軽に東京国際クリニック/歯科へご相談ください。

【関連記事】:歯槽膿漏・歯周病とは?
【関連記事】:歯茎が下がる4つの原因と元に戻すための治療法

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監修者情報

公開日:2016年5月31日

更新日:2024年9月4日

清水智幸 東京国際クリニック/歯科 院長

清水智幸(しみずともゆき) 
東京国際クリニック/歯科 院長

歯学博士。日本歯科大学卒業後、近代歯周病学の生みの親であるスウェーデン王立イエテボリ大学ヤン・リンデ名誉教授と日本における歯周病学の第一人者 奥羽大歯学部歯周病科 岡本浩教授に師事し、ヨーロッパで確立された世界基準の歯周病治療の実践と予防歯科の普及に努める。歯周病治療・歯周外科の症例数は10,000症例以上。歯周病治療以外にも、インプラントに生じるトラブル(インプラント周囲炎治療)に取り組み、世界シェアNo.1のインプラントメーカー ストローマン社が開催するセミナーの講師を務めるなど、歯科医師の育成にも力を入れている。
日本歯周病学会 認定医
日本臨床歯周病学会 認定医

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